9月10日放送 「納豆樹脂」
 福岡県の九州大学にやってきました。
 ここで今、あっと驚く研究が行われているんじゃ。
 「あっと驚く?」何の研究かな?
 納豆の糸の研究じゃ。その研究が地球を救うかもしれん。
 えー。


九州大学大学院農学研究院では、納豆の糸を使って保水力が極めて高い「納豆樹脂」を生成することに成功した。すでに高級化粧品の原料として使われている。
納豆の糸は、ポリグルタミン酸という物質。これを水に溶かして放射線を照射するとゼリー状になる。さらにフリーズドライすると、白い粉状になる。これが納豆樹脂だ。納豆樹脂は、自分の重さの数千倍の水を吸収する。電子顕微鏡で見ると、蜂の巣状になっており、空洞の部分に水を蓄えるのだと考えられている。また、原料が食品なので、自然に分解し環境に悪影響を与える心配がない。
この特徴を生かして、砂漠の緑化が図れないかと研究されている。納豆樹脂とヘドロなどの有機物を混ぜたものに植物の種を入れて固める。これを砂漠に撒けば、自然の状態に比較して植物が芽を出しやすくなると考えられている。実験では、良好な結果が得られている。