7月2日放送 「LEDでイカ漁」
 博士、この船の模型はなあに?
 イカ釣り漁船じゃよ。イカは日本人が最も食べる魚介類なんじゃよ。
 へえー、そうなんだ。私も、イカ大好き。ところで、なぜイカ釣り漁船も模型があるの?
 イカ釣り漁船は、明るい照明をつけて漁をする。これは、LEDを使うことで、消費電力を抑えた新しいイカ釣り漁船の模型なんじゃよ。
 へえー。LEDね。


 イカ釣り漁船は、明るいライトを灯して漁をすることは知られている。これは、明るい光に集まる小魚を求めてイカが集まるからだ。しかし、この明るいライトを灯すために大量の燃料が消費されていることはあまり知られていない。例えば、ひとりで操業する10t未満の小型漁船でも、一晩にドラム缶2本もの発電用燃料を消費するほどだ。原油高騰の折から、この燃料代が漁業関係者の悩みの種だ。そこで、数年前から消費電力が少ないLEDの照明が開発されてきた。すでに、実際の漁船に取り付けて試験がおこなわれている。LEDのライトは、人間の見た目には暗く感じるが、魚を集めるために必要な青い波長の光が中心なため、漁に影響がないことが実証されている。海の中で、イカがいる水深100メートルぐらいまで届くのは、青い光なのだそうだ。つまり、これまでのイカ釣り漁船は、魚をあつめるのと関係ない光を無駄にたいていたことになる。LEDのイカ釣り漁船用ライトは、今年末にも発売される予定だ。