10月23日放送 「海水からウランを採る」
 わー。きれいな海。
 そうじゃな。太平洋や大西洋など、世界の海は陸地の約2倍の面積があるんじゃ。
 そうなんだ。
 そして海は、資源の宝庫なんじゃよ。
 資源?あー、わかった。塩や魚ね。
 いや。資源とは貴重な金属などじゃ。


 海水には、コバルトやチタンなど陸地ではほとんどとれない貴重な金属が含まれている。そして、原子力発電所の燃料になるウランも海水に含まれているのだ。その量は、地上の1000倍といわれている。ウランは、カナダやオーストラリアなどの鉱山で採られている。そのウランも限りある資源。そこで、海水からウランを採ろうという研究が行われている。ポリエチレンのマットに放射線をあてると、分子の構造が変わってウランを吸着しやすくなる。このマットを大きなかごにたくさん入れて海中に沈める。そして20日間ほど待って引き上げると、マットにウランが吸着されるのだ。すでに、青森県のむつ湾や沖縄で実験が行われた。マットについたウランは、酸をかけることで容易に分離できる。この方法の問題は、ウランの採取にかかる費用だ。現在の技術では、鉱山で採るのにくらべて4倍の費用がかかってしまう。